醸造用アルコール添加は悪なの!?

「醸造用アルコールって体に悪そう」 「純米酒の方が本物っぽいよね」

……そんな声、酒屋をやっていると本当によく聞きます。

でも実は、あの醸造用アルコール、悪者どころか 香りと味わいを引き立てる重要な存在なんです。


醸造用アルコールって何?

ざっくり言うと、 サトウキビやトウモロコシなどから作られた純度の高いアルコールです。

・クセがなく無味無臭 ・雑味を抑え、香りを引き立てる ・スッとしたキレのある味に仕上げやすい

よく「水増しのために入れる」と思われがちですが、 今の日本酒では、そんな使われ方はしていません。 (むしろ、量は厳しく制限されています)


大吟醸と純米大吟醸の違い

大吟醸酒には、香りやキレを引き出すために少量の醸造用アルコールが使われています。

対して、純米大吟醸は米と米麹だけで造られた酒。

種類特徴
大吟醸華やかな香り、スッキリとした飲み口
純米大吟醸米の旨味をしっかり感じる、ふくよかな味わい

どちらが上ということはなく、 味の方向性が違うだけです。


醸造アルコールの添加は“技術”

良い大吟醸は、“あえて”醸造用アルコールを使って 香りを広げ、飲み口をシャープに整える

それはもう、職人の技。

例えば全国新酒鑑評会で上位を取るような酒の多くは、 実は“アル添あり”の大吟醸だったりします。

つまり「アル添=悪」じゃない。 使い方次第で、香りの芸術になる

特に僕の地元、登米市の「澤乃泉」はアルコール添加の技術が昔から評価されていて、純米大吟醸より大吟醸の方が価格が高くなってます!

https://tohokusake.com/?pid=155408972


酒屋からひとこと

純米酒には純米酒の良さ。 大吟醸には大吟醸の美しさがあります。

そして、どちらも「いい酒」です。

ぜひ、自分の舌と好みで選んでみてください。